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2013年10月

本棚の旅■GROUND MAKER/板橋しゅうほう

書 名/GROUND MAKER
著者名/板橋しゅうほう
出版元/集英社・創美社
判 型/A5判
定 価/800円
シリーズ名/JUNP SUPER ACE
初版発行日/1992年3月15日
収録作品/Lip9000、GROUND MAKER、MENTAL METAL、育毛剤、CARAVAN THE BERSERKERS、TURTLE SHELTER、コイン・ワンダーランド、WAR'S WARS、FREEDOM、ラッキールートへランナウェイ、ブラストマック3/5

 本書は、第21回手塚賞準入選作『ラッキールートへランナウェイ』を収録した新書判(ジャンプスーパーコミックス)「ラッキールートへランナウェイ」に、本書刊行当時の最新作3編(巻頭から3作にあたる)を追加収録したもの。結果的に80年代初期と80年代末の作品を比べて読むことができる作品集といえる。
 板橋しゅうほうは長編(連載)作品が多く、短編集は本書と『エイリアンクラッシュ』の2冊程度しか刊行されていないので、板橋の短編作品が読める本書は貴重といってもいい。
 80年代初期は意図的に『ペイルココーン』のキャラクターを使用することが多かったようで、本書収録の作品でも『CARAVAN THE BERSERKERS』『コイン・ワンダーランド』で、火野やジアーラ、クリフォードといったキャラクターが登場している。
 収録された全ての作品がSFテイストで、板橋お得意のコメディタッチのものも多い。これはデビュー当初から変わらない板橋作品の特徴と言ってもいいだろう。
 手塚賞準入選の『ラッキールートへランナウェイ』はSFコメディといえる作品で、本質的なところで板橋作品であることに変わりはないのだが、コマ割りや演出面で異質感を禁じ得ない。この作品で「ウルトラQ」の『地底超特急西へ』を連想してしまうのはボクだけだろうか。

・初出一覧

Lip9000/集英社「スーパージャンプ」1988年No5
GROUND MAKER/徳間書店「SFアドベンチャー」1989年2月号
MENTAL METAL/徳間書店「SFアドベンチャー」1989年4月号
育毛剤/東京三世社「SFマンガ競作大全集」1983年PART21
CARAVAN THE BERSERKERS/東京三世社「SFマンガ競作大全集」1982年PART13
TURTLE SHELTER/単行本「ラッキールートへランナウェイ」1984年
コイン・ワンダーランド/東京三世社「SFマンガ競作大全集」1981年PART9
WAR'S WARS/東京三世社「SFマンガ競作大全集」1983年PART17
FREEDOM/東京三世社「SFマンガ競作大全集」1980年PART7
ラッキールートへランナウェイ/集英社「週刊少年ジャンプ」1981年27号(第21回手塚賞準入選)
ブラストマック3/5/集英社「少年ジャンプ」1982年1月10日号

Ground_maker

本棚の旅■エイリアンクラッシュ/板橋しゅうほう

書 名/エイリアンクラッシュ
著者名/板橋しゅうほう
出版元/潮出版
判 型/B6判
定 価/500円
シリーズ名/希望コミックス 122
初版発行日/昭和59年12月1日
収録作品/ブロークンハート、エイリアンクラッシュ、THE 狼奴、アマゾンハウス、ブラッディバベル、ランニング

 板橋しゅうほうの、80年代前半の短編作品集。初出は以下の通り。
 
・ブロークンハート/1981年11月号
・エイリアンクラッシュ/1892年8月号
・THE 狼奴/1983年1、2月号
・アマゾンハウス/1984年10月号
・ブラッディバベル/1983年12月号
 以上、潮出版「コミックトム」掲載
・ランニング/1983年2月13日号
 双葉社「アクション増刊」掲載

 代表作のひとつである『アイシティ』の第1巻が84年前半に刊行されているので、その前後の期間に描かれた作品ともいえる。
 表題作の『エイリアンクラッシュ』は、新しいゲームをテーマにした作品で、仮想空間内で現実のような体験ができるという、その後の映画などでよく扱われる世界が描かれている。サイバーパンクSFといってもいいだろう。登場するキャラクターたちは『ペイルココーン』に登場したものに似ており、手塚治虫的スターシステムを板橋が採用していた感もある。その意味では『ブロークンハート』の主人公「ライデン」はそのまま『アイシティ』に出演したといえるだろう。
 ほぼ発表順に収録しているので、板橋の短編に於ける技量の進化も読み取ることができるのも本書の特徴。『ブロークンハート』は主人公のモノローグによる説明が多く、少々読みづらいところがある。そういったものがだんだんこなれていき、『ブラッディバベル』ではすっきりとした読みきり短編が出来上がっている。
 板橋は、潮出版の「コミックトム」や双葉社の「スーパーアクション」を主な発表媒体にしていたところは、星野之宣や諸星大二郎とも共通していたが、そのふたりと違って熱狂的なファンがいない印象があるのは少々寂しい気がする。
 作画面の技量や選ぶテーマ、ストーリー自体は十分漫画ファンやSFファンに支持されるものがあるはずなので、板橋のファンも少なくないと思うのだが…。
 本書も現在は絶版状態で気軽に入手できる状況ではないので、ファンによる復刻支援などがあるといいと思う。

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本棚の旅■シルベスター/板橋しゅうほう

書 名/シルベスター
著者名/板橋しゅうほう
出版元/大都社
判 型/A5判
定 価/950円
シリーズ名/なし
初版発行日/1991年10月10日
収録作品/シルベスター(第1話~第8話)

 本作は少年画報社の「YOUNG KING」に1989年10号~17号に連載され、単行本化の際、加筆されている。
 ひと言で言うと、板橋しゅうほうの新しいヒーローコミックであり、金属生命体シルベスターと融合した「男爵(バロン)」と呼ばれる主人公が活躍する物語だ。
 ビジュアル的には『ペイルココーン』以来のアメコミ的な描写が目立つが、単にアメコミの模倣ということではなく、板橋流の表現を模索していたのだと思う。ただ、ここではまだその完成には至っておらず、「アメコミ風」という印象になってしまっていたのではないだろうか。
 ヒーローコミックと表現したが、その理由のひとつには主人公がここぞというときに技を出す際「レッツユナイト(結合)」という掛け声が設定されていることでも、その意図が読み取れる。ただ、結果的にこれを効果的に表現できていたかというと、消化不良に終わってしまったようで残念ではある。また、格闘ゲームや格闘コミックの影響を受けてか拳法使いのキャラクターも登場してアクションシーンを派手に盛り上げているが、これも少々中途半端な印象を残してしまったようである。
 本作も『DAVID』と同じように当初の構想を完全に描ききる前に終了してしまった感があるのだが、同じような終わり方をしていてもすっきりと完結している作品は数多くあるので、これは板橋しゅうほうの演出のまずさと言っていいのかもしれない。作品は終わっても、作品の中の物語は終わっていないという「余韻」を残したかったのかもしれないが、どうにも消化不良な印象になってしまっているのが残念だ。
 板橋作品のなかでも「こんなのもあったんだ」という印象の薄い作品になると思うのだが、シンプルな設定でアクションシーンを楽しめるヒーローコミックではあるので、機会があったらぜひお読みいただきたい。

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本棚の旅■SLICK STAR スリック・スター/板橋しゅうほう

書 名/SLICK STAR スリック・スター(全4巻)
著者名/板橋しゅうほう
出版元/潮出版
判 型/A5判
定 価/1、2巻・900円、3巻・950円、4巻・990円
シリーズ名/希望コミックス
初版発行日/1巻・平成4年2月25日、2巻・平成4年12月25日、3巻・平成6年5月25日、4巻・平成6年12月10日
収録作品/SLICK STAR スリック・スター

初出:潮出版「月刊コミックトム」1990年6月号~1994年2月号

 22世紀、地球の衛星軌道上にいくつか存在するスペースコロニーのひとつ「マイダス」に住む錬児クゥォーターマンは、相棒のホスゲンとふたりで賞金稼ぎをしていた。賞金稼ぎといっても警察の下請け仕事で、半ば探偵のような仕事。ストーリーの途中で探偵事務所を開設している。
 アトキンス警部から依頼された人物を追ううちに、錬児たちは大きな事件に巻き込まれていく。それはシュドメックという人物が開発していた、人間の脳に直接アクセスできるインターフェイスで、人体にその装置を埋め込んだ者を「サイクス」と呼ぶ。
 読み始めて感じたのは「なんか、読んだことがあるような気がする」という感覚だった。そう、同じ板橋作品である『DAVID』に似ているのだ。単行本第1巻はシュドメックが企んでいたインターフェイスを使った計画に関するエピソードなのだが、これは全体のストーリーにプロローグとなっている。というか、サイクスという存在がこの作品の重要な要素となるので、まずはその説明に費やしたといってもいい。第2巻後半から始まる錬児の素性に関する秘密と、ある大企業が企む地球と人類に関する最悪の計画は『DAVID』で描けなかった後半部分ではなかったのだろうかと思える。
 単行本のカバーに描かれたのはレオナスというサイクスで、シュドメックの右腕であり、錬児の仇敵なのだが、その素性にも秘密があり、この作品のヒロインとして活躍することになる。もっともシャオリンという女刑事が錬児の憧れの女性として登場してくるのだが、その存在感はフェードアウトしていく。
 舞台は第4巻から地球に移る。このあたりも『DAVID』と同じで、ストーリー上の時間が一気に半年跳ぶというのも似ている。
『DAVID』では結末をナレーションで説明して終わらせていたが、本作品ではきちんとしたラストを用意している。もっともちょっと長めのナレーションが入るのは板橋作品の特徴とも言えるので、これは個性ということにしておこう。
 コミック原作の映画やアニメが多いいま、本作が連載されていたら、間違いなく映像化されていたのではないかと思う。いや、連載時期はちょっと古くなるとはいえ、今でも十分に魅力のある作品なので映像化されてもおかしくないのではないかと思う。

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