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電子書籍■連作ショートショート 人魚 04 公園の人魚

連作ショートショート 人魚 04 公園の人魚

・内容紹介
「人魚」をテーマにしたショートショート作品の連作のひとつです。
※本文より
 その公園は、昼間のベンチではお年寄りたちが雑談し、ブランコなどの遊具では小さな子供とその母親たちが遊んでいる風景が見られた。春には公園内の桜並木が花見客たちを集める。また夏場には、ほぼ中央にある池で子供たちが水遊びするのが風物詩のようだった。
 池には、人工的に作られた丘から、これも人工的に作られた小川の水が流れ込むような形に作られ、その里山的な演出は、周囲を住宅やマンションに囲まれている中でちょっとした自然に触れられるような雰囲気があった。
 池の底はタイルが貼られ、中央にタイルのモザイク画で人魚が描かれていた。
 池の水は年に数回抜かれ、公園を管理する職員によって掃除されるが、夏場に子供たちが遊ぶ関係で、そのうちの一回は初夏に行われるのが通例となっていた。今日はその掃除の日だった。
 池の周囲では水遊びができないのを残念がってか、或いは池の掃除が珍しいのか数人の小さな子供と母親たちが職員たちの動きを眺めていた。
「あれ、山下さんお久しぶりです」
 水が抜かれた池の底を柄の長いブラシでこすっていた手を休め、水色の作業着を着た年配の職員のひとりが声をかけてきた。確か小林さんといっただろうか。
「どうも、ご無沙汰してます。池の清掃だって聞いたものだから、タイルのはがれなどあったら修繕しようと思って」
「そうでしたか。ざっと見たところ大丈夫のようですよ」
「それならよかった」
「あ、三橋君、こちら山下さんといって、この池の人魚のモザイクを作ってくれた芸術家さん」
 小林さんが同じようにブラシで池の床をこすっていたもうひとりの若い男性に、そう声をかけた。「芸術家」などと呼ばれると自分ではないような気がする。
「どうも、三橋です。この人魚、子供たちに評判いいですよ」
「そうですか。それは嬉しいですね。ぼくもね、この人魚はすごく気に入ってるんですよ」
「近所じゃあ、この公園を『人魚公園』って呼んでるくらいですからね。山下さんのモザイク画があってこその公園ですよ」
 小林さんはそう言って笑った。

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